Zabbixテンプレートの作り方:監視を楽にする自作テンプレートのススメ
Zabbixを導入したけど、監視したい項目がたくさんあって、テンプレートをどう作ればいいか悩んでいませんか? 既成のテンプレートも便利ですが、自分に必要な項目だけを詰め込んだオリジナルのテンプレートを作ることができれば、Zabbixの監視能力を最大限に引き出すことができます。この記事では、Zabbixテンプレートの作り方を初心者にも分かりやすく解説します。
なぜZabbixテンプレートが必要なの?
Zabbixテンプレートは、監視設定を効率的に行うための設計図のようなものです。サーバーの種類やアプリケーションごとにテンプレートを作成することで、同じような設定を何度も繰り返す手間を省き、設定ミスを減らすことができます。
Zabbixテンプレートを作る前に知っておくべきこと
テンプレート作成を始める前に、以下の要素を考慮しましょう。
- 監視対象の明確化: 何を監視したいのか? CPU使用率、メモリ使用量、ディスク空き容量、特定のプロセスの稼働状況など、監視対象を具体的にリストアップします。
- 監視項目の決定: 監視対象に対応する具体的な監視項目を決定します。例えば、CPU使用率なら「system.cpu.util[,system]」、ディスク空き容量なら「vfs.fs.size[/,free]」といったZabbixが提供するキーを選定します。
- トリガーの定義: どの程度の値になったらアラートを出すのか、トリガーの条件を明確にします。例えば、「CPU使用率が80%を超えたら警告」「ディスク空き容量が10%を下回ったら緊急」など、具体的な数値を設定します。
- グラフの設計: 監視データをグラフで表示することで、視覚的に状況を把握しやすくなります。どのようなグラフを作成したいか、事前にイメージしておきましょう。
Zabbixテンプレート作成のステップ
実際にテンプレートを作成する手順を、ステップ形式で解説します。
ステップ1: テンプレートの作成
- ZabbixのWebインターフェースにログインします。
- 「設定」→「テンプレート」を選択します。
- 画面右上の「テンプレートの作成」ボタンをクリックします。
- テンプレート名を入力します。(例: Linux Server Basic Monitoring)
- グループを選択します。(適切なグループがない場合は、新しいグループを作成します。)
- 「保存」ボタンをクリックします。
ステップ2: アイテムの追加
- 作成したテンプレートを選択します。
- 「アイテム」タブを選択し、「アイテムの作成」ボタンをクリックします。
- 監視項目に関する以下の情報を入力します。
- 名前: 監視項目のわかりやすい名前(例: CPU User Time)
- キー: Zabbixエージェントが収集するデータを示すキー(例: system.cpu.util[,user])
- タイプ: アイテムのデータ型(例: 数値)
- データの型: 数値(浮動小数点)
- 単位: データの単位(例: %)
- 更新間隔: データの収集頻度(例: 60秒)
- 「追加」ボタンをクリックします。
- 監視したい項目数だけ、手順2〜4を繰り返します。
ステップ3: トリガーの追加
- 作成したテンプレートを選択します。
- 「トリガー」タブを選択し、「トリガーの作成」ボタンをクリックします。
- トリガーに関する以下の情報を入力します。
- 名前: トリガーのわかりやすい名前(例: CPU User Time High)
- 深刻度: アラートの重要度(例: 警告)
- 式: トリガーの条件式(例: {Template Linux Server Basic Monitoring:system.cpu.util[,user].avg(5m)}>80)
- 「追加」ボタンをクリックします。
- 必要なトリガー数だけ、手順2〜4を繰り返します。
ステップ4: グラフの追加
- 作成したテンプレートを選択します。
- 「グラフ」タブを選択し、「グラフの作成」ボタンをクリックします。
- グラフに関する以下の情報を入力します。
- 名前: グラフのわかりやすい名前(例: CPU Usage)
- アイテム: グラフに表示するアイテムを選択します。
- 「追加」ボタンをクリックします。
- 必要なグラフ数だけ、手順2〜4を繰り返します。
ステップ5: テンプレートの適用
- 監視対象のホストを選択します。
- 「テンプレート」タブを選択し、「リンクされたテンプレート」に作成したテンプレートを追加します。
- 「更新」ボタンをクリックします。
テンプレート作成時の注意点
- 汎用性と具体性: テンプレートは、できるだけ多くのホストに適用できる汎用性を持たせつつ、監視対象に特化した具体的な項目を含めるようにしましょう。
- トリガーの誤検知: トリガーの条件を厳しくしすぎると誤検知が増え、逆に緩くしすぎると重要なアラートを見逃してしまう可能性があります。適切な閾値を設定するために、過去のデータを分析したり、テスト環境で検証したりすることが重要です。
- 更新間隔: アイテムの更新間隔を短くすると、Zabbixサーバーに負荷がかかります。必要な頻度でデータを収集できるよう、適切な更新間隔を設定しましょう。
サンプルテンプレート
以下に、簡単なLinuxサーバー監視テンプレートの例を示します。
■ サンプルテンプレート(Linux Basic Monitoring) 【タイトル】 Linux Basic Monitoring
【項目1】 CPU User Time
- キー: system.cpu.util[,user]
- 単位: %
【項目2】 Memory Used Percent
- キー: vm.memory.pfree
- 単位: %
【項目3】 Disk Space Utilization (Root Partition)
- キー: vfs.fs.size[/,pfree]
- 単位: %
【備考】 トリガーは、CPU User Time > 80%, Memory Used Percent < 20%, Disk Space Utilization < 20% をそれぞれ警告レベルで設定することを想定しています。必要に応じて、負荷平均やネットワークインターフェースの状態なども監視項目に追加してください。
まとめ
Zabbixテンプレートは、Zabbixを効果的に活用するための強力なツールです。この記事で解説した手順を参考に、ぜひ自分だけのオリジナルテンプレートを作成してみてください。テンプレートを充実させることで、より効率的な監視体制を構築し、システムの安定稼働に貢献できるでしょう。