Azure ARMテンプレートの作り方:初心者でも簡単!ステップバイステップで解説
Azure ARM (Azure Resource Manager) テンプレートは、Azureリソースをコードで定義し、デプロイを自動化するための強力なツールです。インフラストラクチャをコードとして管理することで、一貫性、再現性、効率性を高めることができます。この記事では、ARMテンプレートの基本から、実際にテンプレートを作成する手順、そして利用シーンや注意点まで、わかりやすく解説します。
Azure ARMテンプレートとは?
Azure ARMテンプレートは、JSON形式で記述されたファイルで、Azureにデプロイするリソースとその構成を定義します。このテンプレートを使用することで、手動でのポータル操作を減らし、インフラストラクチャの変更を追跡し、異なる環境(開発、テスト、本番など)で同じ構成を簡単に再利用できます。
なぜARMテンプレートを使うのか?
- 自動化: リソースのデプロイを自動化し、手作業によるエラーを削減します。
- 一貫性: 異なる環境で同じ構成を確実にデプロイできます。
- バージョン管理: テンプレートをソース管理システム(Gitなど)で管理し、変更履歴を追跡できます。
- 再利用性: テンプレートを再利用して、異なるプロジェクトや環境で同じリソースをデプロイできます。
ARMテンプレートの作り方:必要な要素とデザインのポイント
ARMテンプレートを作成するには、いくつかの重要な要素とデザインのポイントを理解する必要があります。
必要な要素の一覧
- スキーマ (schema): テンプレートの構造とバージョンを定義します。
- コンテンツバージョン (contentVersion): テンプレートのバージョンを定義します。
- パラメーター (parameters): デプロイ時に値を指定できる変数です。
- 変数 (variables): テンプレート内で使用する定数や計算値を定義します。
- リソース (resources): デプロイするAzureリソースを定義します。
- 出力 (outputs): デプロイ後に取得できる値を定義します。
デザインのポイント
- モジュール化: テンプレートを小さく、再利用可能なモジュールに分割します。
- パラメーター化: 環境固有の値はパラメーターとして定義し、柔軟性を高めます。
- 説明: テンプレート内の各要素にコメントを追加し、可読性を高めます。
- 命名規則: 一貫性のある命名規則を使用し、テンプレートを理解しやすくします。
書き方の流れ
- 要件定義: どのようなリソースをデプロイする必要があるかを明確にします。
- テンプレートの作成: 必要な要素を組み合わせて、テンプレートを作成します。
- デプロイ: 作成したテンプレートを使用して、リソースをAzureにデプロイします。
- テスト: デプロイされたリソースが正しく構成されていることを確認します。
- 改善: 必要に応じてテンプレートを修正し、最適化します。
使う場面
- インフラストラクチャの自動プロビジョニング: 複数のリソースをまとめてデプロイし、構成を自動化します。
- 開発/テスト環境の構築: 異なる環境で同じ構成を迅速かつ確実に構築します。
- 災害復旧: リソースを迅速に復旧し、ビジネス継続性を確保します。
注意点
- 構文エラー: JSON形式の構文エラーに注意し、検証ツールを使用します。
- 依存関係: リソース間の依存関係を考慮し、正しい順序でデプロイされるようにします。
- セキュリティ: 重要な情報はハードコードせず、Key Vaultなどの安全な場所に格納します。
ARMテンプレート作成の実践的な手順:ストレージアカウントを作成する
ここでは、ARMテンプレートを使用してAzureストレージアカウントを作成する手順を、ステップ形式で解説します。
ステップ1:テンプレートファイルの作成
まず、新しいJSONファイルを作成し、名前を storageaccount.json などとします。
ステップ2:テンプレートの基本構造の記述
以下の基本構造をテンプレートファイルに追加します。
{
"$schema": "https://schema.management.azure.com/schemas/2019-04-01/deploymentTemplate.json#",
"contentVersion": "1.0.0.0",
"parameters": {
"storageAccountName": {
"type": "string",
"metadata": {
"description": "ストレージアカウントの名前"
}
},
"storageAccountType": {
"type": "string",
"defaultValue": "Standard_LRS",
"allowedValues": [
"Standard_LRS",
"Standard_GRS",
"Standard_RAGRS",
"Standard_ZRS",
"Premium_LRS"
],
"metadata": {
"description": "ストレージアカウントの種類"
}
},
"location": {
"type": "string",
"defaultValue": "[resourceGroup().location]",
"metadata": {
"description": "ストレージアカウントの場所"
}
}
},
"variables": {},
"resources": [
{
"type": "Microsoft.Storage/storageAccounts",
"apiVersion": "2021-09-01",
"name": "[parameters('storageAccountName')]",
"location": "[parameters('location')]",
"sku": {
"name": "[parameters('storageAccountType')]",
"tier": "Standard"
},
"kind": "StorageV2",
"properties": {}
}
],
"outputs": {
"storageAccountEndpoint": {
"type": "string",
"value": "[reference(parameters('storageAccountName')).primaryEndpoints.blob]"
}
}
}
ステップ3:パラメーターの定義
parameters セクションで、ストレージアカウントの名前、種類、場所を定義します。これにより、デプロイ時にこれらの値を指定できます。
ステップ4:リソースの定義
resources セクションで、ストレージアカウントを定義します。type、apiVersion、name、location、sku などのプロパティを設定します。
ステップ5:出力の定義
outputs セクションで、デプロイ後に取得できる値を定義します。ここでは、ストレージアカウントのエンドポイントを取得できるように設定します。
ステップ6:テンプレートのデプロイ
Azure CLI、PowerShell、またはAzure Portalを使用して、作成したテンプレートをデプロイします。例えば、Azure CLIを使用する場合は、次のコマンドを実行します。
az deployment group create --resource-group <リソースグループ名> --template-file storageaccount.json --parameters storageAccountName=<ストレージアカウント名>
ステップ7:デプロイの検証
デプロイが成功したら、Azure Portalでストレージアカウントが作成されていることを確認します。
サンプルテンプレート:ストレージアカウント作成
■ サンプルテンプレート(Azure ARMテンプレートの例)
【タイトル】
Azureストレージアカウントの作成
【項目1】
リソースの種類:Microsoft.Storage/storageAccounts
【項目2】
APIバージョン:2021-09-01
【項目3】
SKU:Standard_LRS (ローカル冗長ストレージ)
【備考】
このテンプレートは、基本的なストレージアカウントを作成するためのものです。必要に応じて、他のプロパティや設定を追加できます。例えば、アクセス層(ホット、クール、アーカイブ)やネットワークルールなどを設定することができます。
まとめ
Azure ARMテンプレートは、インフラストラクチャをコードとして管理するための強力なツールです。この記事で解説した手順とサンプルテンプレートを参考に、ぜひARMテンプレートの作成に挑戦してみてください。最初は簡単なテンプレートから始め、徐々に複雑な構成に挑戦していくのがおすすめです。継続的な学習と実践を通じて、ARMテンプレートを使いこなし、Azure環境の管理を効率化しましょう。